カーテン越し、ちらりと明かりが漏れてきた。
『まだ起きてるのか、、』


『ん?』

しゃっ。


カーテンが小さく開かれた。

『あいつ、何を』





すぐにカーテンは閉じられた。


『ばか、、やろう、、


俺以外に誰かいるかもと何故思わないんだ?』


ちらりと覗いて隠れた顔。
瞬間、くちびるが「おやすみ」と言うのを一花は読み取った。


口元を押さえる。
『失敗だった。
どうせ隠れて護衛するのなら、あいつにも隠しておくべきだった。。』

後悔しても遅かった。

どこで女忍者たちの一味が見ているとも限らない。これなら、一花が隠れていることもばれるのに時間は掛からないように思えた。



なのに、笑いがこみ上げてくる。


あいつはいつも俺を笑わせてくれる。




『俺も、まだまだ修行が足りないようだな。』

一花は無意識のうちに口元を緩ませていた。









希代香に再び残党の魔の手が迫るのは、それからしばらくしてのことだったが、それはまた次のお話で***





おしまい