「まさかまさか、子供たちにも来させなかったのに、ここに希代香ちゃんが来るなんて、、。」
頬に手を当て困惑の表情のおばあちゃま。
「もう遅いですよ。」六車がカウンターから出てきていた。
「そうよね。もうしょうがないわよね。」
おばあちゃまがふぅ、と大きく息を吐き出した。

「希代香ちゃん、いい?よぉく聞いて。」
あたしは思い切り頷いてみせた。さっきからずっと聞き手になっていて、質問もまだなのだけど。

「あたしはこれから行かなきゃいけないどーしても外せない用事があるから、」
「え?」
「希代香ちゃんはこの3人にいろいろ教えてもらっててね。忍者のなかでもずば抜けて優秀な3人だから、頼もしいわよ。じゃ、後でね!」
「、、ぇ、、おばぁちゃま?!」
風のように速いその後ろ姿は掴みきれなかった。声だけでも覆いかぶせて、泣きすがる。

入り口の扉を開けかけて、ぴたりとおばあちゃまの足が止まった。
「そうだわ、名前も考えなきゃね。何がいいかしらね。」
ふふっと笑みを浮かべ、出て行ってしまう、、!

カラン、コロン、、

やけに大きな音が響いた。。気がする。


「7番目だし、七花(ななか)とか?」
はしゃいだ声が響いた。

視線を向ける。美男子の「郷太」くんが
「かわいいじゃない?」にこりと笑ってみせた。