「案外悪いものでもないですわよ。」
振り向くと、いつの間にかおばあちゃまが帰ってきていて、扉が閉められた。

「ふふ、孫と忍者ごっこ。楽しいこともありますわ。」
目元を弓なりにさせ、ふふと笑った。

「希代香、改めて、今回のこと、礼を言うよ。」
「そんな、あたしは何も。だって、おじいちゃまのこともあそこにいることは知らなかったし、あたしは連れて行かれただけで、、」

「私のために、忍者になってくれてありがとう。」
「顔の傷もすぐ良くなるわ。三田に特製の薬を調合させたから、今日にでも希代香ちゃんのお家に届けさせるわね。」
おばあちゃまがあたしの肩を抱いてくれた。

「うちの大事な孫に、、こんな傷をつけた奴なんて、ほんとはあたしは許せないのよ。一花も、もっとぼこぼこにして同じ目に合わせてくれたらよかったのにって思ってるわ。」
「やっぱり、一花があたしを、、」

「紀子、そこまでにしておきなさい。」
おじいちゃまに窘められ、おばあちゃまは首をすくめて見せた。


「私もこうして戻れたことだ、
希代香は、もう心配しなくていいんだよ。
そこでだ、、」