「覚えてるも何も…
菻が小さい頃たくさん陽向君の話してたじゃない」
フフッとお母さんは笑いながらそう言った。
「え…?」
声が出たのは私じゃなくて吉田君だった。
うそ…!?
私お母さんに吉田君のこと話したりした…!?
「同じクラスにかっこいい子がいるって、片想いしてるって」
「熱出した時もうなされながら陽向君の名前言ったり…」
お母さんは嬉しそうに話す。
や…やだ…
本人の目の前でそんなこと…っ…
吉田君を見るとポカーンとした顔をしていて…
「いや〜本当に菻の言う通りかっこいいわ。
今日は菻のことよろしくね」
お母さんはそう吉田君に言葉をかけると…
「菻、誕生日おめでとう。
素敵な1日になるといいね」
お母さんはそう言うと私達に手を振ってその場から去っていった。
……すごくすごく気まずい…。
お母さんが変なこというから…っ…
「ご…ごめんね吉田君…。
お母さんが言ってたこと気にしないで…」
今だに吉田君はボーッとしていて…
「吉田君?
行こう…?」
動かない吉田君の腕を引っ張り私は家を後にした。

