君以外いらない








「分かった、名前で呼ぶのはもう少し慣れてからにしよう、ね?」







そういえばまた笹木さんは小さく頷いてずっと閉じていた目を薄らと開き始める。







「早く俺に慣れてね」








なんて俺は言うけどきっと笹木さんはこの言葉の意味がわからない。










「…慣れる……?」







ほら。




また自然と笑いが出る俺。







「そう…




笹木さんにはもっと俺に慣れてもらわないと困る」








遠まわし過ぎる言い方。




まだはっきり自分の気持ちは伝えられない。






「う…ん…?」









首を傾げる笹木さん。









まだ昔の事を謝れていない俺はその話題に触れるのが怖い。







もし俺が気持ちを伝えたら…










その時君はどんな顔をするだろう…?










いつか…







言える時が来たら…










真剣に聞いて欲しいと思うよ。













その時に見せてくれる顔が笑顔だといいな。