君以外いらない







「なんか一気に距離が縮まった気がするね」








吉田君は私にそんなことを言ってくる。









距離って一体なんの距離だろう…?









ていうか私は吉田君といたら心臓持ちそうにない気がしますよ…









「菻も陽向って俺のこと呼んでみてよ」









吉田君は私に向かってとてもハードルの高いことを言ってきた。








私が吉田君のこと呼び捨てなんて…









「え、遠慮します…!」











恥ずかしくて呼べるわけない…













「えー…



菻〜、俺の名前いってみて」









吉田君は既に私のことを名前で呼ぶようになって、今度は私の番らしい。










けど…やっぱりそんな簡単に呼べない……









「は…恥ずかしい…」









ボソッと俯きがちに呟く私を見て吉田君の口元が緩むのを今見た気がする。