君以外いらない








私を呼んだ吉田君は後を追いかけてくる。








「ねぇ笹木さん!」









吉田君の声が聞こえても私は返事をせずにひたすら廊下を早足で歩く。








「笹木さんってば…」







可愛い彼女が本当はいるくせに…







なんで追いかけてくるのかな…








そんなの…辛いだけなのに……っ…










「待ってって…





菻!!」









グッと腕を掴まれて足がピタッと止まる。









吉田君が私の腕を少し強い力で掴んだ。











「なんで怒ってるの?



言ってくれないとわからないことだってあるよ…」










吉田君は落ち着いた声でそう言った。










その言葉に何故か私は目がグッと熱くなった。