「なー吉田!
お前可愛い子と一緒にいたって本当かよ」
吉田君の席の近くの男子生徒がそんなことを吉田君に言う。
「え?」
吉田君はその男子に顔を向けた。
「昨日の朝女子が見たって騒いでたぞ〜!
めちゃくちゃ可愛い女の子って!」
吉田君の顔をチラッと見るけど把握出来ていない様子で…
あーあ…
朝からこんな話題…。
私の中で何かがズキズキと痛む。
「可愛い女の子?」
吉田君がそう返事をした時、私はガタッと音を立てて立ち上がる。
教室にいたくない…。
吉田君は少し驚いたのか音に反応して私の方に顔を向けた。
私は一瞬だけ吉田君と目を合わせてスッと横を通り過ぎる。
「笹木さん…!!」