「それは恋だね」



カルピスを飲んでいたストローを私に向け、そのものずばり言葉を口にしたのは、クラブ終わりのレイ。

陸上部の次期エースって噂されてる彼女は、男子にも女子にも大人気。



「や……やっぱり?」

「一目惚れなんじゃない?」



……そう、なのかな。

私はずっと、一目惚れなんて信じてなかった。

話してその人の中身を知って、初めて恋になるんだって。



「始まり方なんて関係ない。胸の高鳴りを自覚した瞬間から、恋は恋になるんだよ」



自覚した瞬間から……か。

そっか、やっぱりこれは恋なのか。

肯定しても何の違和感もないから、きっとそうなんだろう。