椅子の背もたれにかけていたスーツの上着を手に取り、立ち上がった浩志にいきなり手首を掴まれた。


 

 「ちょっ!?」




 なになになになに?

 いったいこの急転直下な状況はいったいなんなわけ?

 驚いて、とっさに引こうとした手を逆に握り締められ、引っ張られる。




 「コーヒー、奢ってやるから、一緒に来いよ、垂れパンダ」

 「へ?」 

 「お前、事務・総務センターの垂れパンダペアって呼ばれてるんだろ?ガチでまんまだよな」

 「……………」