僕の名前は影。野崎 影(のざき えい)という。




南川高校の二年生だ。




これといって特別なものはないし、もってないと今は言っておこう。




あるといえばただ唯一、一人の親友。




花宮 由紀(はなみや ゆき)だけだ。




一年の時、クラスが一緒で唯一僕なんかに話しかけてくれた幼馴染みなのだ。




二年になってからは違うクラスとなっている。




昨日の雨が嘘だったかのように晴れた空を見ながら登校する。




僕の高校は小学校とも近い位置にあるからいつも子供達のはしゃぐ声が絶えない。



だが、今日はそんな笑い声が聞こえなかった。




実は今日、学校にくるのは久し振りだ。



休んでいたわけじゃない。


休まされたのだ。




四日前、急に明日から三日間休みをとると言われたのだ。




それにしても他の学年の生徒が一人も見当たらないので、なんだか生徒が二年生だけになったみたいだ。