このゲーム中、実は乱同が冷静であったことに。



乱同は奥田の演技を見抜いていたのだ。



それでいて気づいていないふりをしてその策を利用した。



奥田が乱同を騙していたように見えて、実は乱同が奥田を騙していたのだ。



騙し合い。




これがこのゲームをするにあたっての本当の戦いではないのだろうか。



乱同が押したスイッチ。



それはグーだった。



奥田の“グー”を信用したように見えた乱同を騙そうと“チョキ”を出した奥田。




その奥田を信用せずにさらに騙して“グー”を出した乱同。



今、この状況において一番不用なもの。



それは信用。




相手を信用した方の負けなのだ。





奥田は乱同が“パー”を出すと信用してしまったのだ。




だから負けた。




だからこれから死ぬのだ。






モニターの画面がまた変わった。