「は、速くしてよ。座らなかったら死ぬんだぞ!」



その言葉にいらついた乱同が吠える。






「あ?何だよお前は!


いつもいつも怯えてびくびくしてておどおどしてやがるくせに!


何でこん時だけ!!!」



負けじと奥田が言い返す。




「い、今びくびくして動けないでいる臆病者は君じゃないか!」



こんなに乱同に反抗の意志を奥田が見せるとは。



こんなに強いやつだったかと疑問をいだく。


一方乱同はいきなり反抗してきた奥田が気に入らなかったようで、さらにいらついていた。




「弱いくせに調子に乗りやがって………………


くそが!!殺す!殺してやる!!」




いつもならこんな乱同を怖がっていた奥田だが、今は違った。



なんと、、、、笑ったのだ。





「な、なに笑ってんだ!ふざけてんのか!!」



それでも笑顔を崩さず奥田は面白おかしそうにいい放つ。



「ははははははははは!ふざけているのは君じゃないか!


ああ、おかしい。


殺す、殺すってわめいているけどね、


今、僕を殺すと君も死んでしまうかもしれないんだよ?


それを今、このイスにも座れていない君がこんなことできるわけないよね?」




確かに奥田の言う通りだ。


乱同も悔しそうに歯ぎしりをすることしかできないでいる。