あの日から、私はいじめられている。

下駄箱を開けると大量の紙が入っていた。見てみると、そこには

死ね クズ 最低 キエロ

って書いてあった。

そして、上履きもなくなってる。



教室に入るとさっきまで騒がしかったのが嘘みたいに静かになる。

そして、私を見ながらヒソヒソと話し出す。

よく来れるよね 学校来んなし 早く死んでよ

皆はそう言っている。


もう、聞き飽きた。
誰も私を信じてくれない。
誰も私を助けてくれない。
先生だって、見て無ぬふりをする。


ハァ・・・。

私は心の中でため息をしながら自分の席に座った。

机には、たくさんの落書きがしてある。でも今は、そんなの気にならない。
何故かって?それはね、

大好きだった人が愛海とキスをしているから・・・。

私は、カバンを持って屋上に行った。


屋上に着いた瞬間私の目から一滴の涙が零れた。

「ウッ、ヒック、悠・・・。」

声を出しながら泣いていると・・・



「なんで泣いてんの?」


えっ・・・?




えっ?!!

うそ!!誰かいたの?!

えっ、泣いてるの見られた!?


パニック状態になっていると、


「なんかあったの?大丈夫?」


「どうした?大丈夫か?」


顔をあげるとそこには、三人いた。


「えっと・・・。あの・・・。」

なんて言おうか考えていると抱きしめられた。


「大丈夫?よしよし。」


「あ、あの、ありがとうございます。もう大丈夫です。」

そう言って屋上を出ようと思ったら、

「あれ?この子って、例のあの子じゃない?」

「あっ、ホントだ!」

ドクンッ、ドクンッ

また、いじめられる、泣いてたことバラされる。

なんて思っていたら、

「そんなに怖がらないでよ!私茜音!よろしくね!」

えっ?

「俺は、夢翔!よろしくな!!」

えっ?


「お前、片岡杏奈だろ?」


「は、はい。」


「敬語使わないくていいよ!」

「えっと、あの・・・」

「私と友達になって!私のことは茜音って呼んでね♪」

「あっ!俺も!夢翔っ呼んで♪」

「気持ち悪い、語尾に♪つけないで。」

「ひっど!!笑」


「あの、皆は私のこと最低とか思わないの?」


「えっ?なんで?」

「だって、私、皆に・・・」

「あぁ〜、思わないよ!実はさ、私ずっと前から杏奈と友達になりたいって思ってたんだよね。」

えっ・・・?

「杏奈ちゃんはいじめてないんでしょ?」

「うん。二人とも私を信じてくれるの・・・?」

「「当たり前!!」」

ウッ・・・、泣きそう。
私のこと信じてくれる人がいた。

「ウッ、ヒック・・・、ありがとう。私を信じてくれて、ありが、とう。」

「杏奈泣かないで!!」

ギュッ。茜音はまた私も事を抱き締めた。

「ちょっと!!アンタは抱き締めないでよ!」

「えっ?!俺にも抱き締めさせろよ!」

「ダメ!!杏奈は私のものよ!」

ちょっと、茜音、苦しい・・・笑

私は、2人のやり取りを聞いて笑いそうになった。

すると・・・。



「おい、お前ら俺のこと忘れてんだろ。」


えっ?


「「あっ、忘れてた・・・。」」

えっと、誰?

「お前のこと信じてるのは、2人だけじゃねーから。俺もお前のこと信じてるから。」


「えっと、誰ですか・・・?」

「お前、俺らのこと知らないの?俺は萩平。佐藤萩平。」


えっ・・・、佐藤萩平・・・。
あれ?茜音、夢翔、萩平・・・・・・。


「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!!あの、あの噂のふ、ふ、不良の人!!」

顔はわからなかったけど、名前なら知ってる。たぶん、全校生知ってると思う。

喧嘩が強くて、不登校の・・・問題児。




「杏奈驚きすぎ笑笑笑」

「噛みすぎ笑笑笑」

「うるせー」


えっと、どうしよう・・・。


「お前、俺らのこと怖いか?」

怖い・・・?
怖いに決まってるじゃ・・・。
あれ?全然怖くないかも?

「全然!怖くない!・・・です?」

「疑問形 笑大丈夫だって。茜音は怖いけど、俺と萩平は全然怖くないから!」

バシッ!!

「うるさい!!」

そう言って夢翔のことを叩いた。

「いってぇ〜!!」


「「「あっ・・・。」」」


「えっ・・・?」


「「「笑った。」」」


へ?
ポカーンとしていると

「かわいい〜〜 !!」

「ヤバッ/////」

「/////」

えっ?

「可愛くないよ?顔赤いけど大丈夫?」


「「「鈍感」」」


「えっ?」



「まぁいい。これからお前は俺達の仲間だ。なんかあったら、屋上に来い。」


「仲間?」


「あぁ。仲間だ。」


「杏奈ちゃんは、1人じゃないよ。俺らがいる。だから、1人で抱え込まないで?」


「大丈夫。私はアンタの味方だよ!」


「皆ありがとう。」







神様、ありがとう。


仲間に会わせてくれてありがとう。





そして、茜音、夢翔、萩平。

私のこと信じてくれてありがとう!







そして今日はずっと屋上でサボった。







それから、私はよく屋上へ行くようになった。