四人でそんな会話をしたのが、約一週間前。

今日、テストの順位が出た。


私は、国語と英語と日本史はけっこう良かったけれど、他の教科が案の定、平均ぎりぎりくらいだったので、学年の真ん中より少し上くらいの順位だった。

梨花ちゃんも私と同じくらい。


嵐くんはやっぱりどの教科も最高点に近い点数をとっていたけれど、英語でいくつかケアレスミスをしてしまったらしく、惜しくも三位だったらしい。


「あー、悔しいなあ」と嵐くんがぼやくと、梨花ちゃんがその背中をばしんと叩いて、「期末で挽回してやれ!」とからから笑った。


嵐くんは「だよな」と笑ってから、私の隣で頬杖をついて外を見ている雪夜くんに目を向けた。


「おい、雪夜。お前はどうだった? 赤点はなさそうか?」


ふっと視線を戻した雪夜くんは、「まあ」と曖昧な返事をする。


「なんだよ、本当に大丈夫なのか? 見せてみろ」


嵐くんがそう言うと、雪夜くんは面倒くさそうに机の中から成績表を取り出し、嵐くんに手渡した。


雪夜くんの成績に目を落とした瞬間、「……えっ?」と嵐くんが小さな叫び声を上げ、ぱちぱちと瞬きをした。

それから片手で目をこすって、また成績表をじっと見つめる。


「……うそだろ?」


唖然としたように嵐くんが呟いた。

雪夜くんはいつもの無表情のままだ。


「え? なになに、どうしたの?」


と梨花ちゃんが横から嵐くんの手もとを覗きこむ。

そして、同じように「えっ?」と声を裏返した。