「俺、今日は昼飯食ってないんだ」
三限目の情報科学論の講義が終わった後、前の席に座っていた大輝(たいき)が振り返って言った。
「は? なんで? 金欠?」
私の問いかけに、大輝が呆れたように言う。
「バッカ、違うって。チョコをもらったときにおいしく食えるようにわざわざ空腹を維持してんだよ」
「なにそれ。そっちのほうがバッカじゃないの?」
「なにそれってまさか、有純(あずみ)、おまえ今日がなんの日か忘れてんのか?」
大輝の言葉に、私は目を泳がせた。
「え~? なんの日だったっけ?」
「げ、なにその反応。バレンタインデーを忘れる女がこの世に生息してるなんて」
大輝がさも恐ろしげにぶるぶると震えてみせた。大輝にこんな扱いを受けるのは慣れっこだ。
「あれぇ、私を女扱いしてないのはどこのどなたでしたっけ?」
私の言葉に大輝が憎まれ口を返してくる。
三限目の情報科学論の講義が終わった後、前の席に座っていた大輝(たいき)が振り返って言った。
「は? なんで? 金欠?」
私の問いかけに、大輝が呆れたように言う。
「バッカ、違うって。チョコをもらったときにおいしく食えるようにわざわざ空腹を維持してんだよ」
「なにそれ。そっちのほうがバッカじゃないの?」
「なにそれってまさか、有純(あずみ)、おまえ今日がなんの日か忘れてんのか?」
大輝の言葉に、私は目を泳がせた。
「え~? なんの日だったっけ?」
「げ、なにその反応。バレンタインデーを忘れる女がこの世に生息してるなんて」
大輝がさも恐ろしげにぶるぶると震えてみせた。大輝にこんな扱いを受けるのは慣れっこだ。
「あれぇ、私を女扱いしてないのはどこのどなたでしたっけ?」
私の言葉に大輝が憎まれ口を返してくる。