「カイ。何か思うところがあったとしても口にするなよ」


「先生…」


彼の口調からもキュリオの行動がいつもと違う事が予想される。
しかしそれを意見することはキュリオの行いを否定することとなり…下っ端であるカイなど許されるはずもないのだ―――。



「私がなぜこのような仕打ちをしているか不思議でしょうがないようだね」


突如口を開いたキュリオだが、その瞳は閉じられたままだった。


「……」


(ブラスト先生は私がスカーレットさんといなくなったこと、お父様はご存じだとおっしゃっていた…だからきっと……)


「私がお父様の見えないところにいたから……」


アオイがそこまでいうと、とたんにキュリオを取り巻く雰囲気に鋭さが増す。


「大事な部分が欠落しているな。率直に聞こう」


静かに見開かれたキュリオの瞳の奥には氷のように冷たい光が宿っている。




「スカーレットと何をしていた?」