「…最高にうまかった。ありがとなアオイ」


長い口づけの後、ようやく離れたスカーレットの唇。礼を言う彼の吐息はまだほのかに熱が感じられ、濡れた唇はアオイの視線を釘づけにした。


「あ、あのっ…えっと…っ…!」

(わ、わたし…スカーレットさんと…っ…)


「…そろそろ次の競技始まるみたいだな。頑張ろうぜ」


アオイの発言を待たずに少女の腕を引き寄せたスカーレットはそのまま扉を駆け抜けていく。
楽しそうに前を駆けるスカーレットの背を見つめながらアオイは精一杯の言葉を返す。


「…は、はいっ…」

(今のキス…どういう意味、…?)


城中の人間の集まる中庭へと差し掛かるとブラストが手を振りながら駆け寄ってきた。


「スカーレット殿!アオイ殿!」