その頃、マゼンタのもとへ戻ったスカーレットが用意された椅子に腰かけると…


「やっぱりキュリオ様のいる青組が優勝よね~っ!!ほんっと投げ入れた玉が光輝いて見えるほどにお美しかったんだからっ!!」


「俺は赤組に勝って欲しいと思ってる」


「へ?あー赤組に可愛い侍女でもいた?」


「……」


遠くを見つめるスカーレットの視線の先にいるひとりの少女。
柔らかそうな髪と白い肌に日の光を反射させ、彼女自身が穏やかな光を発しているようにさえ見える。


「え?もしかして図星なの?
あ、そうそう…総合で1位を獲った者にはご褒美が出るそうじゃない!頑張ってみたら?」


マゼンタの口調からもスカーレットの身体能力がどれほどに優れているかがよくわかる。

すると…


「…褒美?」


「そーそー!!あのキュリオ様が喉から手が出るほど欲しがってるものらしいわよ!!」


「へぇ…」

(あの方が…)


悠久の全てを収めるキュリオが欲しがるものとは一体なにか?それだけでかなり興味を惹かれたが…