「わぁっ!すごい!!」



思わず興奮のあまり手を叩いたアオイの手からは玉がいくつも零れ落ちて…



「はっ!そそっかしい奴!…お前名前は?」



「はいっアオイって言います!…お姉さんは?」



「俺はスカーレット。こう見えて一応剣士だ」



「…剣士…」

(前にお父様から優れた女剣士がいるって聞いていたけど…スカーレットさんの事だったんだ)



凛とした彼女の面持ちから、それが遊びや趣味ではないことがよく伝わってくる。


(…かっこいい…やっぱり女神様って特別な人たちなのかも…)


すると突如、憧れのような強い想いがアオイの心に満ちて…



「スカーレットさんが一緒なら青組に勝てそうな気がします!」



「…っ…」



アオイに輝くような笑顔を向けられたスカーレットは目を丸くして動きを止めたが、やがて目元を緩めるとアオイの頭を優しく撫でる。



「青組っていうのはキュリオ様のところか…」



「はいっ!キュリオ様は本当に何もかもお上手で…」

(…私言葉間違ってないよね?)



「じゃあ…この玉入れ競争、赤組が勝ったらご褒美を貰おうかな」



「ご褒美、ですか?」



「うん、この後アオイが淹れたお茶が飲みたい」