(なにか紛れる話は……っそうだ!!)


「お父様っ!総合で1位になった方と、組で優勝した方たちへのご褒美という話は…っ?具体的にお聞きになられたのですか???」


「……」


アオイが明らかに話を逸らすと、この場ではっきりさせたかったらしいキュリオが鋭い視線を向けてきた。


「…(こ、怖いっ!…けど我慢…っ我慢!!)…」


「…あぁ、先程アレスに聞いた。順位など関係ないど言ったが…私は手を抜くつもりはない」


(お父様が熱くなるなんて…そんなに素晴らしいものが用意されているの?)


「青組いいな…、お父様がいれば優勝間違いなしだもの…」


ションボリする娘の顔を見つめたキュリオが小さく首を捻る。


「…そういえば…なぜ私たちは同じ組ではないのだ?」


すると彼の視線はアオイと同じ赤組のカイへと移動し、少なからず疑いの眼差しが向けられる。


「……」


「…違いますっ!一応バランスと人気を考えての配分ですから!!お二人が一緒になってしまったら色々偏ってしまうんです!」


「それをいうなら…来年は個人戦のみだ。そもそも分かれる必要がどこにある」


「も、申し訳ございません…っ…」

(キュリオ様のおっしゃる事はもっともだ…しかし……)


キュリオの威圧感に押され、口ごもるカイ。しかし個人戦となるとアオイはもちろんの事、運動能力に長けていない者は喜びを味わえなくなってしまうのだ。

ハラハラと二人を見つめていたアオイは何やら会場が慌ただしくなっていることに気づいた。


「…?」