その後、女官や侍女にバレンタインデー時のキュリオの様子を聞いたアオイは、こっそり彼女らの協力を得ながら此度の作戦を練っていたのだった。

そして俯いてしまったアオイを立ち直させるために補足と助言を叫んだミキの言葉がここで役に立った。


「はいっ!お城の皆には"友チョコ"を配ろうと思ってます!」


「…友チョコ?」


案の定、言葉を知らないキュリオはまだその疑いの眼差しを晴らしてはくれない。


(やっぱりお父様も知らない…それならっ!)


「友達にあげるチョコレートを友チョコっていうんです!」


何でも知っているはずのキュリオに言葉を教える日がとうとう来たっ!
アオイはちょっと得意げにミキに聞いたままの言葉を並べてみた。




「…なら…」




「…お前の"本命"はどこにある?」