『僕の声が聞こえる…?』


「…っ!」


ダルドの声にハッと声を上げたアオイ。


『は、はいっ!!』


『君…アオイ姫なの?』


『そうです…っ!私です!ダルドさまっっ!!』


『…キュリオが探してる』


『…はいっ…』


ポロポロと涙を零した子猫はすっかり気落ちしてしまったように耳も肩も尻尾も垂れ下がってしまっている。
その様子から察するに…少なくとも今のアオイは望んでその姿になり続けているわけではないようだった。


『いつ戻れるの』


声に強弱のないダルドだが、その眼差しからはアオイの事を心底心配しているのが伝わってくる。


『…わ、わかりません…っ…』


『……』


『…わかった』


しばらく考えてからダルドは小さく頷き…


「…キュリオ」


「……?」


一瞬の間の後、顔をこちらに向けたキュリオ。
どうやら反応が遅れるほどアオイのことで頭がいっぱいなのは明らかだった。




「…アオイ姫は僕が連れてくる。匂いをたどればたぶん…見つけられる」