「……」


キュリオは膝に子猫をのせたまま難しい顔で考え事をしている。


「キュリオ様!」


バタバタと数人の家臣が戻ってくるが、皆キュリオの待つ朗報は持ち合わせていなかった。


「…そうか。城にいることは間違いない。私も行こう」


『どうしよう…なんでこんな事に…っ…お父様、私はここですっ!!』


「にゃあっ!!にゃあっ!!にゃあああっ!!!」


子猫は立ち上がろうとするキュリオの胸元によじ登ると、精一杯顔を近づけて鳴き続ける。


「…お前も探してくれるのかい?」


『ち、ちがうんですっ!!私です!アオイです!!』


アオイはあやすように背を撫でられ、ただキュリオの顔を下から見上げるしかない。
こちらを見るキュリオの瞳はとても優しかったが、娘の気配を追う彼の顔に胸が切なく締め付けられる。