「……?」


暗がりでよく見えないが、何かがベッドに寄りかかるようにして眠っている。

悠久の王であるキュリオの部屋に入れる人物など極わずかであり、さらに寝具に身を委ねることを許されているのは…


「…アオイ…」


苦しそうな姿勢のまま目を閉じているが、眉間には皺が寄っており…その目尻には涙のあとが光る。


「…っ…」


悲しみに打ちひしがれたその姿をみたキュリオは右手で顔を覆い、苦しそうに口元を歪めた。


「…愛しているっ…アオイ」

(…ひどい仕打ちをした私にそれでも愛を求めてくれるのか…)


少女を優しく抱き上げたキュリオはそのままベッドに横たわらせると…
涙の痕に唇を這わせた―――。