「お帰りなさいませキュリオ様」
ようやくたどり着いた悠久の城門。
両脇に立つ大柄な剣士が主の帰還に快くそれを開く。
小さく頷いたキュリオが馬を進めると、前方に聳(そび)える城の最上階へと視線を走らせた。
「……」
灯りがなければ眠れない子ではないため、彼女がどの部屋で眠っているかはわからない。
キュリオは馬小屋を経由し城に入ると、迎い出た女官らが何やらソワソワした様子で近づいてきた。
「お帰りなさいませキュリオ様…」
「…食事は軽めのものを頼む」
「すぐにご用意いたします!」
女官の後方で声を上げた侍女が踵を返し廊下を駆けて行く。
「……」
キュリオは黙って後をついてくる女官の纏う雰囲気に違和感を覚え立ち止まる。
「…アオイの事か?」
「…はい…」
彼女の様子からその後に続く言葉が思わしくないことは安易に想像できた。
「…昼食も夕食もほとんど手を付けておられません。日中はアレスとお過ごしになられていたようですが…」
「…そうか。わかった」
(可哀想なことをしてしまったな…)
ようやくたどり着いた悠久の城門。
両脇に立つ大柄な剣士が主の帰還に快くそれを開く。
小さく頷いたキュリオが馬を進めると、前方に聳(そび)える城の最上階へと視線を走らせた。
「……」
灯りがなければ眠れない子ではないため、彼女がどの部屋で眠っているかはわからない。
キュリオは馬小屋を経由し城に入ると、迎い出た女官らが何やらソワソワした様子で近づいてきた。
「お帰りなさいませキュリオ様…」
「…食事は軽めのものを頼む」
「すぐにご用意いたします!」
女官の後方で声を上げた侍女が踵を返し廊下を駆けて行く。
「……」
キュリオは黙って後をついてくる女官の纏う雰囲気に違和感を覚え立ち止まる。
「…アオイの事か?」
「…はい…」
彼女の様子からその後に続く言葉が思わしくないことは安易に想像できた。
「…昼食も夕食もほとんど手を付けておられません。日中はアレスとお過ごしになられていたようですが…」
「…そうか。わかった」
(可哀想なことをしてしまったな…)