「ん?俺はクラスメイトの家探してここまで来ちまったんだけどさ…あんたはここに用事でもあんの?」


「…クラスメイト?」


「あぁ、なんでも家の都合とかでしばらく休むって連絡があったみたいなんだけどよ…親父が具合でも悪いのかと思ってさ」


「……」


シュウの表情から悪意は見当たらない。
心から友人を心配していることに嘘はなく、わずかに陰ったその表情が真実を物語っている。


(…訳有のヴァンパイア…か)


流れるような動作で剣へと添えた手を下ろした青年。


「夜になればキュリオ様の御加護が降り注ぐ。明日になれば君のクラスメイトも来るんじゃないか?」


「あ、そか…。…でもしばらくって言ってたんだよな…で、あんたは?さっきから質問ばっかしてねぇ?」