それからも。

彼がこちらの教室に来たり、
彼女が彼の教室に行ったり、
いろいろあったな。


一緒に帰ろうって彼が誘いに来たり、
教科書貸してって彼が来たり、
なんか話があるって彼が来たり、
ただ会いたくなったって彼が来たり、

いっつも、それを見てた。
見てしまってた。

だって彼女がいる教室には、
わたしもいるんだもん。
きっと彼は気づいてなかったけど。


時々、彼女が彼のところに行くこともあった。
一緒に行こうって言われることが多くて、
その時々、たぶん全部について行ってた。

あぁ、辛いなって思ってた。


彼女が当たり前に彼の名前を呼ぶのを聞いて。
それに当たり前に彼が当たり前に答えて。

そんな当たり前が溢れていて、
そんな当たり前がわたしには、
羨ましくて、眩しくて。



そんな眩しい日がしばらく続いた。