次の日からの日々は、
わたしが想像していたよりも、
悲しいものだった。
苦しいものだった。
教室のドアから顔を覗かせたのは、
彼で。
きっと、わたしが1番に気づいて。
彼女は全然気づかなくて。
彼と目が合うことなんかなくて、
やっと彼女が彼に気づいた。
わたしよりずっとずっと気づいたのは
遅かったのに、
彼は彼女と目が合うなり、
わたしが好きになったあの可愛い笑顔で
にこっと笑って。
「 !」
彼女の名前を呼ぶんだ。
「 !」
そしたら彼女も彼の名前を呼んで。
そっかぁ。
付き合ったら、あんな風に、
目が合うだけで、
嬉しそうに笑顔を向けてもらえて、
名前を呼んでもらえるんだなぁ。
いいなぁ。
楽しそうに話をして、
あんなに近くで、
彼の笑顔を独り占め。