執事〈♀〉は狼たちに恋をする




「で、未来。あと10分ほどでパーティーが始まるわけだけど」


拓海くんが振り返って私を見る。




「最初に舞台で軽く挨拶して、お前を紹介するから」


「.........え ? 」


紹介する ? 私を ? ?


あの大勢の前で ? ?




「ムリムリムリです ! ! ! 」


そんなの初耳だし、絶対嫌だよー ! !


「心配すんなってーお前は、笑ってお辞儀するだけだ」


「そ、そんなぁ...」


彼女役をするだけでいっぱいいっぱいなのに、紹介なんかされたら私どうなっちゃうの ! ?




「そんじゃ、行くぞ ! 」


結局、私は拓海くんには逆らえず、ズルズルと引きずられていくだけだった。