諸々の法は影と像の如し

「……道満殿は、良い人だったんだね」

 章親が言うと、惟道は躊躇いなくこくりと頷いた。

「だが道仙は、そうじゃないってことだな。お前のその鬼の印、それは一体どういうものなんだ?」

 ようやく気を落ちつかせた守道が、それでもじろりと惟道を睨んで言った。
 自分のことになると、惟道の顔からは拭い去ったように表情が消える。

「さぁ」

「どういう手順で、あの鬼を召喚したんだ」

 惟道には専門的な知識はないだろう。
 とりあえず見たままを話して貰うしかない。

「まず額に九字紋を描いた上で、結界を張った中に描いた魔法陣の中に俺を入れて、何か呪を唱えていた」

 我が事なのに、他人事のように言う。

「ふむ……。それは道仙が、か?」

 やはりあの男が全ての元凶か。
 それにしても、そんな知識があったのだろうか。

「道仙は、道満殿の見つけた書物を元に、お前に呪をかけた、と言ったな。その書物は今も道仙のところにあるのか?」

「さぁ」

「探してみたいな」

 そう言って、守道は惟道を見た。
 蘆屋の屋敷に行くのは避けたいが、惟道に頼むという手もある。

 それに惟道なら屋敷内のことには詳しいだろう。
 どの辺りにあるかぐらいは、わかるのではないか?