諸々の法は影と像の如し

「……お前は何故、道満殿に拾われたのだ? どこからか引き取られたのか?」

 あまりにも感情の乏しい惟道に、守道は違和感を覚えた。
 この性格は、生来のものなのか、作られたものなのか。

「さぁな。捨てられたのか、親を亡くしたのか。気付いたときには一人だった」

「道満殿とは、どこで出会ったのだ」

「どこだったかな」

 どこかぼんやりと、惟道が言う。
 全てのことが、惟道にとってはどうでもいいことなのだろう。

「とにかく、裏で糸を引いているのは道仙ということだ。だが道仙自身は何も出来ない。お前さえこちらで押さえておけば、これ以上人食い鬼の被害は出ないわけだ」

 こちら側の熱と惟道の熱が全然違うため、話がいまいち続かない。
 惟道の背景は後でも聞けると読み、守道はまず、そもそもの問題解決に乗り出すことにした。

「まぁ、そうなるな」

 惟道も肯定するが。

「だがそれは問題の解決になるか? 俺をここに監禁したところで、鬼は消滅せぬぞ」

 即座に痛いところを突かれてしまう。
 う~ん、と考えた末、章親が、ちょっと惟道に近付いた。

「ねぇ。君を浄化しても、無理なのかな」

 惟道が、怪訝な顔で章親を見た。

「君の血は、一応浄化できるじゃない。じゃあその額を浄化してみれば、鬼の印、消えないかな?」

「浄化で……? あの鬼自体を浄化する、というのか?」

「ああ、そうなるのかな。鬼自体を浄化か……。そう考えると難しいかもしれないけど」