「そこもとは?」
若者が、守道に言う。
章親のことは知っていたようだが、やはり守道のことは知らないようだ。
「賀茂の陰陽師だ。そなたも蘆屋の一族か」
軽々しく名乗ることはせず、守道はこちら主権で話を進める。
相変わらず若者には、何の反応もない。
「あの。あの人食い鬼は、君が操ってるの?」
何となく守道と若者の間の空気が険悪になりつつあるのに耐えられなくなり、章親が口を挟んだ。
若者の視線が、章親に流れる。
う、と章親は若干乗り出していた身を引いた。
この若者は危険だ。
「……鬼?」
「糺の森で、検非違使を襲った鬼だよ。君が、魔﨡に穢れの付いた石を渡したんだよね? あの石が、鬼を呼び寄せるんでしょ?」
「まに……」
「僕の御魂……。えっと、錫杖持った、銀色の髪の綺麗な女の人だよ」
先程から若者は、章親の言葉を繰り返しているだけだ。
章親の言葉の中から、自分の気になる単語の意味を引き出している。
己の情報はほとんど与えず、相手からのみ詳しい情報を得る。
守道は自分が知りたいことのみを聞いたが、章親はいつの間にやら相手に質問されている。
守道が、手を挙げて章親を遮った。
不用意にこちらの情報を与えるのは危険だ。
若者が、守道に言う。
章親のことは知っていたようだが、やはり守道のことは知らないようだ。
「賀茂の陰陽師だ。そなたも蘆屋の一族か」
軽々しく名乗ることはせず、守道はこちら主権で話を進める。
相変わらず若者には、何の反応もない。
「あの。あの人食い鬼は、君が操ってるの?」
何となく守道と若者の間の空気が険悪になりつつあるのに耐えられなくなり、章親が口を挟んだ。
若者の視線が、章親に流れる。
う、と章親は若干乗り出していた身を引いた。
この若者は危険だ。
「……鬼?」
「糺の森で、検非違使を襲った鬼だよ。君が、魔﨡に穢れの付いた石を渡したんだよね? あの石が、鬼を呼び寄せるんでしょ?」
「まに……」
「僕の御魂……。えっと、錫杖持った、銀色の髪の綺麗な女の人だよ」
先程から若者は、章親の言葉を繰り返しているだけだ。
章親の言葉の中から、自分の気になる単語の意味を引き出している。
己の情報はほとんど与えず、相手からのみ詳しい情報を得る。
守道は自分が知りたいことのみを聞いたが、章親はいつの間にやら相手に質問されている。
守道が、手を挙げて章親を遮った。
不用意にこちらの情報を与えるのは危険だ。


