諸々の法は影と像の如し

「そうなんだ……。で、お上の前での術対決で、その術師はおじい様に敗れた、と」

「まぁ……そうですね。敗れたというか、晴明様が、答えを変えたんですけどね」

「へ?」

 確か箱の中身を当てるという単純なもので、晴明が答えた通り、中からねずみが駆け去ったと聞いているが。

「術師が先に答えまして、ちゃんと当てたんですよ。でもそのときは中身を確認しないで、そのまま晴明様が答えるって方法で。で、晴明様は違うものを言ったんですけど、同時に自分の言ったものに、中身を変えたんです」

「……それって……ズルじゃないの?」

 章親が呆れたように言う。
 だが毛玉は、またも、ちちち、と指を振った。

「違いますねぇ。よく考えてくださいよ。ただ箱の中身を当てるだけよりも、中身そのものを変化させるほうが、よほど凄いと思いません?」

 うーむ、と章親は腕組みして考えた。
 確かに毛玉の言う通り、見るだけよりもモノを変えるほうが大変だし、それこそ相当な力がないと出来ないことだ。
 祖父だからこそ出来たことだろう。

 だが。

「でも……術師の答えだって合ってたんでしょ? なのにおじい様が中身を変えちゃったら、他の人は術師は外したと思うじゃない。それって……どうなんだろう」