「これは……」
車座になった五人の中央には、先程投げ込まれた小石と簀子にあった小石が置かれている。
どちらも章親が呪を施した懐紙の上にあるので、とりあえずは何事も起こらないだろう。
「これ、以前毛玉が見つけた石と同じじゃないかな」
章親がよくよく調べた上で口を開く。
毛玉が糺の森で見つけた、穢れの付いた石。
これにも同様の気を感じた。
小石をよく調べたところ、やはり血のようなものが付着していたのだ。
「毛玉?」
魔﨡と共に上座に座っていた宮様が、きょとんと章親を見る。
「あ、えーと。毛玉ってのは何というか。物の怪なんですけど、僕の友達っていうか」
章親にとっては式でも友達感覚なのだ。
まして毛玉は式と違い、生きている。
そんなものを『使っている』とは何となく言いにくい。
昔から物の怪と仲良くしてきた故の感覚なのだろう。
「物の怪の友達?」
驚いたように、宮様が言う。
ただ驚いてはいるが、その顔はとても楽しそうだ。
興味津々な目を章親に向けている。
「凄い。さすが安倍の跡取り。友達も普通ではないわけね」
「い、いえ。そんな大層なことでは」
ずいっと身を乗り出す宮様に、章親はたじたじとなる。
車座になった五人の中央には、先程投げ込まれた小石と簀子にあった小石が置かれている。
どちらも章親が呪を施した懐紙の上にあるので、とりあえずは何事も起こらないだろう。
「これ、以前毛玉が見つけた石と同じじゃないかな」
章親がよくよく調べた上で口を開く。
毛玉が糺の森で見つけた、穢れの付いた石。
これにも同様の気を感じた。
小石をよく調べたところ、やはり血のようなものが付着していたのだ。
「毛玉?」
魔﨡と共に上座に座っていた宮様が、きょとんと章親を見る。
「あ、えーと。毛玉ってのは何というか。物の怪なんですけど、僕の友達っていうか」
章親にとっては式でも友達感覚なのだ。
まして毛玉は式と違い、生きている。
そんなものを『使っている』とは何となく言いにくい。
昔から物の怪と仲良くしてきた故の感覚なのだろう。
「物の怪の友達?」
驚いたように、宮様が言う。
ただ驚いてはいるが、その顔はとても楽しそうだ。
興味津々な目を章親に向けている。
「凄い。さすが安倍の跡取り。友達も普通ではないわけね」
「い、いえ。そんな大層なことでは」
ずいっと身を乗り出す宮様に、章親はたじたじとなる。