諸々の法は影と像の如し

「……まぁ……楽観は出来ないな。でも浄化はちゃんとしてくれたのだろ?」

「うん。それは大丈夫。今日の分も、ちゃんとしてきたよ」

「じゃあとりあえずは大丈夫だろ。あとは現場に章親がいれば、当日また穢れが付いてもすぐに祓えるし。ところで御魂は?」

 珍しく、今日は章親と毛玉だけだ。
 守道が問うと、ああ、と章親はちょっと困ったように笑った。

「今日は明日の最終調整だよ。魔﨡は巫女さんのふりをするわけだから、ちゃんと宮司さんの言うこと聞くんだよって言い聞かせてきたものの、一人ってのが気に食わないらしくてさぁ。大変だったんだから」

「ああ、なるほど。よくあの御魂が章親から離れて他の者の言うことを聞いたもんだな」

「だから、大変だったんだって」

 何で章親は来ないんじゃーっとごねる魔﨡を説き伏せるのは本当に大変だった。

 とにかく魔﨡しか適任はいない。
 魔﨡が宮様を守ってくれれば、僕も安心。
 僕が信頼して宮様をお任せ出来るのは魔﨡だけなんだから、お願い、と拝み倒して、なおも渋る魔﨡を賀茂社まで送り届けたのだ。

「けど何だかんだで、御魂も章親には弱いよなぁ」

 ははは、と笑いながら、守道が言う。