【短】今日だけは君のもの


「あたし……梅吉が好き」


涙をごしごし拭いながら、あたしは梅吉をまっすぐ見上げて言った。


ずっと喉につかえていた言葉は

音にして伝えたとたん、
止まらなくなった。



「好きなの。
ずっと一緒にいたいよ…梅吉」


「杏ちゃん……」



涙でぼやけた視界でも、梅吉が驚いてるのがわかる。


目をいっぱいに開いて

口をポカンと開けて。


あ……
笑った。


梅吉が

笑ってくれた。




「うん。いよう。ずっと一緒に」



梅吉の優しい笑顔が近づいてきて
あたしは目を閉じる。



今度こそしっかりと触れた唇は、
涙でしょっぱかった。