【短】今日だけは君のもの


「……梅…きちぃー……」


ヒック、と喉が鳴った。

涙があごを伝って、ぼたぼた流れていく。


「やだよ。梅吉―……」



……ずっと後悔してた。

中学を卒業してから
5ヵ月間、ずっと。


梅吉と離れて、何度も素直になれなかった過去を悔んだ。


あの頃ワガママばっかり言ってたのは、梅吉にかまってほしかったから。

なのにかんじんなことを伝えられなかったのは、梅吉に断られるのが怖かったから。


好きなんだよ。

だから怖いの。

強がっちゃうの。


後悔したときには、すでに梅吉は遠い存在で。


「好きだよ」も
「一緒にいたい」も

もう届かなかった。



明日からも

もう届かない――…?



「やだ……
そんなのやだ…っ!」



無意識に出た言葉。


そして
無意識に、走り出した体。



あたしは走った。

梅吉のいるマンションへと。