私は健ちゃんから離れる。 健ちゃんもゆっくり 抱き締める力を緩めた。 そして健ちゃんと 目を合わせる。 「なんか、改めて 《仲間》って言われたら、 思い出した、 初心の気持ち。」 『…初心?』 「今日、潤ちゃんに 言われたんだ。 『初心に戻りなよ』って。 楓高の伝統は チームワークの良さなのに なんか一人ぼっちの気分に 勝手にさせてたのは 自分のせいだった。」