「わかってる、わかってるつもりなんだ。けど、弥生の想いすべて持っていった彼が、夢にまで出てきて弥生を縛り続ける彼が、どうしようもなく、憎いよ。」 「そんなこと」 「...憎くて、羨ましい」 そう言って俯いた彼の表情を読み取ることができなくて、私がそっと手を伸ばせば、その手は彼に捕らえられ、そのまま彼が覆い被さってきた。 「ごめんね」 私がそう言えば、彼は何ともないように静かに笑ってみせて。それから、返事の代わりとばかりに、私にそっとキスを落とした。