___弥生 名前を呼ばれて、そっと目を開けてみれば、不安気に私を見つめる彼がいた。 「大丈夫?」 「...また、置いてかれちゃった」 そう返せば、彼は少しだけ泣きそうな顔をして、それから、優しく微笑んだ。 「うん」 「...何度も呼んだのに、置いてくの」 「うん、呼んでたよ」 私の彼を呼ぶ声は本当に声にでていたのかと、恥ずかしさと申し訳なさで、また泣きたくなった。