彼のキスで魔法少女になりました⁉︎

階段の踊り場には、鏡がある。

翔太が斜め後ろに立ち、私の髪を左によせた。


声も出なかった。


首すじの右側に、小さく、さっきみたマークがついていた。

「……どういうことだ?」


絞り出すように彼は言う。


「私にも、わからない」


私も、どうにか話す。


ふと、周りが明るくなった。
雲に隠れていた太陽が出てきたときに似ていた。


それが気のせいではないことを、
翔太と目を合わせて確認する。


だんだん、明るさが増していく。
日常で体験する明るさでは無くなっていき、あまりに眩しいので、思わず目を閉じた。