ガラッ


「セーフ!?」


「アウトだ、秋宮。席座れ」

「………はい」


教室のドアを開けると、いつも通り先生が教壇に立っていた。私と先生のいつものやり取りに、クラス中は大爆笑。そんなに笑わなくてもいいじゃない…


「珠洲、おはよ」


「さっこちゃん、おはよ」


自分の席である窓側の後ろから二番目の席に座ると、前の席に座っている友達に話しかけられた。


小宮山桜子ちゃん。通称:さっこちゃん。1年生からの友達で、私の"体質"を知る人物。


さっこちゃんは、ハチミツ色の髪にウェーブがかかっていて、目もぱっちりで唇もぷっくらしてて肌も白くて性格も優しくて…まぁ、要するに少女漫画から出てきた可愛い女の子ってことかな。


「珠洲、また"アレ"やって来たの?」


「うん、今日は一件だけ」


「そっか。あまり無理しないでね?この前みたいに1限目始まっても来ないってならないでよ」


「はーい」


そう。今日は1限目に間に合ったけど、説得に時間がかかると間に合わない時がある。そのためか、私はクラスで"真面目な遅刻魔"と言われるようになってしまったのだ。


「最近、変な事件が続いているから、なるべく早く家に帰るように。以上、SHR終わり」


きっと、今朝やってたニュースだ…と私は思った。私達に関わりがないとしても、身近にこう言う事件が起こるとやっぱり怖い。