首から顔にかけて真っ赤になる店長。

かわいい…じゃん。

『誤解しないでくださいね。男として好きって言ってませんから…今まで怒られるのは怖かったんですが、怒られるのにもちゃんと意味があるんだってわかったので、ダメだしどんどんお願いします。いつか店長のようになってみせますからね』

『……お前、魔性の女だな。期待させておいてそれかよ…きゅんとした俺の心を返せ』

そんなの知るか…

『でも、まぁ、あれだな…俺の言葉が足りなかったってことで、これからは手取り足取り教えてやるよ』

ニヤッと不敵に笑う男。

視線の先、お客さんが席を立ちレジへ向かう。

レジにはスタッフがいるが店長はお送りする為に2、3歩踏み出した。

だが、戻ってきて耳打ちしてきた言葉は
口に出して言えないぐらい卑猥でめまいを起こしかけた。

あんた、それ犯罪だよ。

だけど、想像してドキドキしている自分も…

ヤバイ

毒されてる。

『期待して待ってろよ』

誘惑する甘い声にうんと頷きそうになる私の耳に、フッと息を吹きかける。

咄嗟に耳を塞いで睨んでやる。

何しやがる…

勝ち誇る男はレジにいるお客さんの元へ

悪魔め…