悪魔な彼が愛を囁くとき


その手を振り払い

「いらない」

「……なに怒ってるんだ?」

「知らない…自分に聞いてみれば」

「……俺のせいで無理させたのにからかったからだろう⁈」

わかってるならきくなっーの。

ふんと仁を置いて浴室に逃げ込んだ。

シャワーを浴びながら体の至る所に仁に愛された印を見つけ、艶めかしい記憶が蘇る。

「……あーもう…」

後悔じゃない。

だけど、叫ばずにはいられなかった。

嫌いだったはずの仁の腕の中で、好きだと認めて淫らに乱れた自分を思い出し、体中が騒つく。

もう私は仁から離れられない。

意地悪で強引なところが好き

意地悪な笑顔も好き

口角を上げ勝ち誇る表情も好き

ゴツゴツした男らしい手なのに長い指に触られるのも好き

かすれた甘い声が好き

色っぽい唇でキスされるのも好き

体中を纏う甘く香るタバコの匂いも好き

気づけば、こんなに仁でいっぱいに支配されてる。

さっきは、勢いでエッチしないって言ったけど、仁の甘くかすれた声で求められたら拒めないだろう。

わかっている…
だから、叫ばずにはいられなかった。

こんなに好きになって後戻りできない。

同じ職場なのに平静でいられるだろうか?