「知らないのなんて山口ぐらいだろ」 となりにいた男子がクスクス笑いながらそういうと、周りも同調する。 「まあ、安心しなよ。 麻結には告げ口しないから、『石屋が好き』なんてさ。」 「えっ!?...っ」 驚きのあまり机に足をぶつけると、みんなに笑われた。 あのときから、麻結にネクタイを結んでもらうときには周りの視線が気になって仕方なかった。