「...あ、ごめん、なさい」



慌てて立ち上がって、その場から退く。

恐る恐る振り返ったけど、男子たちは私のことなんかもう見てなかった。

楽しそうに談笑していて。


「...........」


....うん。

ぜんぜん、大丈夫。いつも通り。


そっと顔を前に向けて、教室の方へ歩き始めた。







私は、地味な女子だ。


日々の中で、私が注目されることなんて全くない。ありえない。


友達もあんまりいない。

中学の頃の友達は、みんな高校が別々になってしまった。

高校に入学してもう二年目に入ったのに、特別仲が良い子もいない。


私はもともと人と喋るのが苦手で、ついオドオドしてしまう。


急かされると慌てる。

ゆっくりと、拙く喋ることしかできない。


だからって別に、いじめられてるとか、そういうわけじゃないんだけど。