運命の恋、なんて。

「あたしは…手の内を見せすぎたの。恋愛って、きっとそういうものなんだよ」



「はー、そうかな。俺は、好きな相手のことなら全部知りたいけど…」



ヤスくんは、きっといい彼氏になるよね。



それについてはなにも言わずに、微笑んだ。



「乗せてくれて、ありがとう。久しぶりに、話せてよかった」




「あ…あぁ。これ、昨日のタクシー代」



渡されたお金を受け取る。



「ありがとう。じゃあ…」



後部座席のドアを開き、外におりた。



またねとは、言わない。



あたしたちがこれ以上会っても、なにも生まれないから。



「胡桃ちゃん…俺、このチャンスをいかしたい。とっ、友達でいいから…お願いします。俺と、またこうして会ってくれないかな」



真剣な眼差しに、少し心を動かされる。



ヤスくんのこと、嫌いじゃない。



これは、あたしにとってもチャンスなの?



ずっと恋愛できなかった。



そんなあたしと、一から始めようって言ってくれる。



友達…かぁ。



ここまで言ってくれてるのに、突っぱねる理由も…ない、よね?