運命の恋、なんて。

「ええっ、相当勇気だしたつもりだけど。そういう扱いなのか?」




「ヤスくんがあたしのことをいいいな思ってくれたとしたら、嬉しいけど」




「うん、うん」



期待いっぱいの目で見られても、困るんだ。



「ヤスくんの後ろに、八雲くんが見える」



「マジ!霊能者かなんか!?」



本気で驚いてるあたり、ピュアだなーって思う。



ヤスくんは、きっとあの頃からなにも変わらない。



八雲くんの彼女で、対等に会話していたあたしに幻想を見ているだけ。



それはやっぱり、好きとは違う感情だよね。



「あたしだって、浅ましい女だよ。八雲くんが、一番嫌がりそうなことを、わざとしたの」



「…えっ」



「お母さん、突然いなくなったんだよね。同じ気分を、味わえばいいって…そう思った。効き目なんてないかもしれないけど。ちっぽけな復讐だよ」



「復讐…か。確かに、効き目あったよ。あいつ、胡桃ちゃんのこと惜しがってたし。あんなに、自分のことを好きになってくれる相手は、もう現れないだろうなって」



「男が本当に好きなものは二つ。危険と遊びである。そして男が女を愛するのは、それが最も危険な遊びであるからだ…これ、知ってる?」



「な、な、なんだ?それ」



ヤスくんとは、無縁の格言だよね。