運命の恋、なんて。

なにもなかった時には、もう戻れない…。




一度起きてしまったことは…取り返しがつかないって、八雲くんが話していたことを、以前ヤスくんか碓井くんに聞いたっけ。




それは、こういうことだ。




気持ちって、そんなに簡単に誤魔化せない。




疑い始めると醜くて汚い気持ちでいっぱいになる。




その気持ちを解き放つには…やっぱり別れた方がいいのかな…。




「胡桃ちゃん…もし俺と別れたら…」




「…えっ?」




ドキッとした。




やっぱり、あたしと別れたいのかな。





寛大な彼女になるのは、ここもなにもなかったように振舞わなきゃ。




動揺しちゃダメ。




ホントは苦しくて、今にも逃げ出したいけど…余裕ぶってみた。




「やっぱ、ピアスの子と付き合いたいよね。今日はそのことを言いたくて、あたしと約束したの?」





普通の子なら取り乱してるかもしれない。




だけどあたしは、ある程度自分の感情をコントロールできるから…まだ、大丈夫。




客観的に見れる性格が、こんなときに役立つなんて。




「いや…そうじゃなくて。もしも、の話…」




なんだか、歯切れが悪い言い方だよね。